MixamoのAutoRiggerを使った骨入れ(3)
「今日はあまり調査が進まなかったけど、昨日UE4で読み込んだ時のポーズがT字にならなかった理由はわかった」
妹「なんだったの?」
「普通にメッシュだけ表示すると元々のポーズになる。一緒にインポートされたアニメーションを再生するとTスタンスになる。Mixamoはメッシュ自体は加工せず、ただTの形になるようなアニメーションデータをオマケに付けてくれるらしい」
妹「そういえばMixamoはUE4に対応してないっていってたけど、これだと普通に読み込めてる気が」
「読み込めてるね。普通にFBXファイルなんだから当たり前ではあるんだけど。ただ骨の構造と初期ポーズがUE4のグレーマンと違うから、グレーマンのアニメを流用しようと思うとめんどくさいかも」
「グレーマンの初期ポーズはこうやってちょっと手を下げてる。足は肩幅ぐらいの開き方で、Aスタンスというほどは開いてないから、手を斜めに下げたTスタンスって感じだけど」
妹「ポーズ違うと駄目なの?」
「初期状態から、手をどれぐらい曲げたとか、そういう情報になるから。その初期状態がズレてると困る。あと骨の数とか位置関係もね。リターゲットといって、他の骨構造との間に互換性を持たせる方法があるけど、正しい角度とか骨の対応関係とかいちいちUE4に教えなきゃいけない。そのへんが自動になってないから、UE4には正式対応してないってことなんじゃないかなあ」
MixamoのAutoRiggerを使った骨入れ(2)
「骨の入ったデータはまだMixamoのサーバーにあるので、それをダウンロードしてこないといけない。うわさによると昔はUE4用の設定があったらしいんだけど、今はなくなってるとか」
妹「昨日もそんなこといってたけど、なんでなくなったの?」
「たしか、あんまり使われてないから、という理由だった気がする」
妹「ガーン」
「なのでとりあえずfbxでダウンロードしてみる。なんかfbxが2種類あって、何も書いてないのと、Unity用って書いてあるやつがあって、とりあえず普通ので」
妹「Unityはあんまり使われてるんだ……」
「ポーズはオリジナルとT-Pose(Tスタンス)が選べる。本当はTじゃなくてAが良かったんだけど、ないものは仕方がない」
「"QUEUE DOWNLOAD"ボタンを押すと、ダウンロード一覧画面みたいなのに切り替わって、準備が終わったらダウンロードボタンが押せるようになる。fbx形式への変換とか色々してからじゃないとダウンロード出来ないんだと思う。骨を入れる時もそうだけど、ところどころで結構時間がかかる」
「で、ダウンロードしてきたやつをMODOで開いてみると、たしかにTスタンスになっている。骨も入ってるっぽい」
妹「おお、成功なのでは」
「ところがUE4で開くと、手を軽く曲げた、オリジナルのポーズででてくる。サイズが妙にちっちゃくて10倍にしたけど、それは元々MakeHumanの時点で小さかったんだろうと思う」
妹「Tじゃないけど、でもなんか色ついてたない?」
「それは元々ついてたの」
「これがMakeHumanの状態。ただfbxの中にはテクスチャが同梱されてなくて別ファイルになってから、Mixamoにはテクスチャがアップロードされなかった。手元にあると色が出る。でもポーズが元のままになる理由はよくわからない。骨はちゃんと入ってるし、動かせそうだけど」
MixamoのAutoRiggerを使った骨入れ(1)
「今回のUE4ぷちコンは3Dゲームで行く予定なんだけど、いままでのところ納得のいくキャラクターが出来てないという問題がある」
妹「わたしは出来てるけど。ZBrushとかで」
「でも動きはあれでしょ?」
妹「それはまあ、あれだけど」
(1)モデリング
(2)色塗り/マテリアル
(3)ボーン
(4)アニメーション
「大雑把に分けるとこんな感じの工程があって、去年妹が作ったとんびなんかは、(1)(2)を妹がZBrushで、(3)は兄がBrenderで、(4)は妹がUE4の中でアニメーションを記録、という段取りだった」
妹「あのアニメーションはつらかった……骨の入れ方も変えたかったけど、途中で直せなかったし」
「実は兄も(1)に関してはMediumでなんとなく、遠目に見ればそれっぽいキャラクターは作れそうな感じがある。色も塗るだけなら可能。となると、問題は(3)と(4)ということになる」
妹「そこはたしかに問題ある」
「で、解決候補として、無料で使えるMODO、前回使ったBlender、勉強会で教えてもらったAkeytsuなどが候補としてあるんだけど、とりあえず一番簡単という噂のMixamoから試してみる」
妹「一番簡単ならそれでいいのでは?」
「そうなんだけど、人型のキャラクターにしか使えないから、結局とんびの時には使えなかった。あとUE4に昔は対応してたのが、今は対応してないという話で。まあそこらへんも含めてちょっと試してみる」
妹「英語まみれで全然簡単じゃないね」
「そこはまあそうなんだけど。一応ブラウザから3Dデータをアップロードして、それに骨を入れて、その後ダウンロードするという手順で、インストールとか要らないのは簡単。それとAdobeのアカウントを登録する必要はある」
「今回はMakeHumanで生成したデータを使ってる。骨とかは元々入ってない。同じMixamoが作ったFuseというキャラクターでも人間は作れるけど、そうじゃないキャラクターが動くことを確認したかったから」
妹「もう骨入った?」
「いま関節の位置を設定しているとこ。顎、手首、肘、股間、膝と、5箇所設定するだけでいい。これは確かに簡単」
「無事に骨が入ったっぽい。適当にアニメーションしてる。兄が人間のボーンで一番やりたくないのは、指の部分の細かい調整なんだけど、それもちゃんとやってくれてるみたい」
妹「指の場所は設定してないよね?」
「してない。ポリゴンの構造的に、このへんが指だろうなあってとこを指にしたみたい」
妹「ハイテク……でもポリゴンの構造がおかしかったら駄目なのかな?」
「それはありえる。元々指の関節がない、ドラえもん型のようなモデルの場合は、指の設定を無しにして、手首だけ動かすようにも出来るみたい」