ぷちコン応募作 ラブ・エネミーを一般公開
「よく考えると妹のだけ出して自分のやつをダウンロード出来るようにしてなかった」
妹「動画撮影してるとことか後ろで見てたけどさ、これって結局何のゲームなの?」
「女の子においかけられた筋肉ムッキムキの男が、ポーズを決めることで女の子達をノックアウトしていくコミカルタッチの企画が、なんだかんだあってこうなった」
妹「いやこれコミカルじゃなくてホラーなやつだよね。そもそも追いかけてると女の子じゃないし。ロボかなんかだよね」
「そのへんはまあ、いいかなって」
妹「よくはないと思うけど、女の子のデータとかなかったの?」
「あるにはあるけどキャラクター物とかだと、同じ顔のキャラクターがいっぱい出ることになるでしょ? それはちょっと怖いなあと」
妹「同じロボの集団に襲われるのも怖いだろ!」
「まあなんというかもっとモブっぽい女の子が欲しかったんだけどね。作業に不慣れというのもあって、動きを付けたりなんだりと考えるとちょっと間に合いそうになかった」
妹「せめてロボをピンクに塗るとか」
「ピンクだと全然面白くないでしょ。テーマ反射だから金属っぽい感じにってのは考えたけど、キャラをたくさん出した時に表示速度の問題が出そうだったからやめた」
妹「技術的に凄いとことかはあるの?」
「そういうのはやってない。一応マップはトップダウンビューのテンプレートのままで、キャラの移動をマウスから4方向移動に変えて、主人公のアセットも差し替えてある」
妹「敵はどこからでも出てくるの?」
「どこからでもじゃないよ。実際は敵の出現位置は透明なアクターが20個ぐらいあって、その中からランダムで出てくる仕組みになってる。そういう仕組みにしたのは壁にめり込むのが嫌だったからだけど、スポーンのオプションで調整してもよかったかも」
妹「1発で即死って厳しくない?」
「ライフ制のアクションゲームってあんまり好きじゃないんだよ。特に最初に1機死んだ時点でリセットしてやり直した方がマシなゲームが。最後まで最善を尽くして欲しいし、そのプレイスタイルを推奨するゲームデザインにしたかった。1回当たったら終わりの仕組みなら、序盤の展開がどうとかで諦める必要はなくなる。回復が簡単に出来るような仕組みでもOK」
妹「ミラールートでは最初すぐ死ぬ人が多かったから、その時点でゲーム辞められたら困るから、機数制限みたいなのじゃなくて時間制限にしたんだよ。死んだ時のペナルティも軽めにして、時間いっぱいまでトライ出来るように」
「得点を無限に伸ばしたいということで時間制限にはしなかった。ただ、その結果として逃げ切るという終了条件がなくなって、最後は必ずやられる形になっちゃったのがいまいちなとこではある。このへんは作る人の好みがモロに出るところだろうね」
妹「ハートの反射角度が変なのも好みなの?」
「色々やってみたけど、来た角度に返すと当てやすいんだよ。確実に当てるなら撃った人を追尾させてもいいんだけど、そこまでするとつまらなかった。これぐらいの調整がやってて丁度良かったんだよ。だからやっぱり好みの問題かな」
兄はKYUSHU CEDECに行っていた
「というわけでKYUSHU CEDECに行ってたんだですが」
妹「あれ? アンリアルフェスに行ったんじゃなかったの? 今日じゃなかったっけ?」
「横浜は遠すぎるじゃないですか……VR環境とかそれに合わせたパソコンの強化とか考えると、ここで数万出して行くのは厳しくて。話聞いてると行った方が良かったかなとは思わないでもないんだけど」
妹「わたしのはノミネートされてないから別にいいんだけどさ……それで九州だと何があったんだよ」
「ゲーム制作関連の話と、各種VR用機器の体験。VR体験の整理券が先着順だったから取り逃がさないために前日から会場近くのネットカフェで張り込んでいた」
妹「それでそのVRはどうだったの?」
「まず画面が大きい。大画面ディスプレイとか映画のスクリーンとかで、近くから見れば視界いっぱいには出来るけど、その場合端の方は見えなくなる。その点VRは視界いっぱいに広がるから迫力がある。カメラ操作が楽というか、直感的になる。マウスとペンタブレットの違いみたいな感じ。」
妹「立体的に見えるというのはどうなの? 3DSだとちょっと頭動かすとすぐブレて見えるからいつもオフにしちゃってるんだけど」
「3DSも新型で良くなったとは聞いてるけど、頭にかぶって固定するから、目の角度がどうとかいう問題は起きない。立体視OFFにした方がマシって話にはならないと思う」
妹「じゃあ3Dゲームはもう全部VR対応になっていく流れなのかなあ」
「それはどうだろう。1つは酔いの問題があって、今回見たはデモは酔わない用に入念に調整してあるというか、無理のない範囲でデモを作られた感じだった。実際酔わなかったけど、逆にいうと今あるゲームを3D化したとしたら、酔う可能性がすっごく高いと思う」
妹「わたしのミラールートも酔う?」
カプコンはVRに本気! VR技術への取り組みを語る【KYUSHU CEDEC】 - ファミ通.com
「カプコンの人がやってたこの講演で、頭動かしても画面が動かない状態は、VR慣れした人だとかえって酔ってしまうって話だったんだよ。頭の動きに映像をついてくると思い込んでるわけだから、感覚的には頭と逆の方向に映像が動いてるような気持ち悪い状態なんだと思う。だからやるとしたら首の動きを振ったら画面外の背景が見える感じがいいかなと思うけど。ゲーム的には無意味でも酔わないように。細かいことは実際にやってみないとわからないけど」
妹「酔うと駄目なの?」
「普通の3Dゲームでも、酔う人は酔うし、そうなるともうほんと全然遊べないからね。VR慣れした人の方が酔うパターンとかあるわけだから、逆にVRの方が酔わない作り方とかもありえるのかなと思ったけど」
妹「そもそもなんで酔うんだろ? 別にそれつけてるとか体が揺れたりとかはしないんだよね?」
「基本的には目から見た映像の問題なんだと思う。3Dゲームだとどんなのでも大抵酔うっていう人でも、テレビドラマとかスポーツの試合とかは普通に見てるんだよ。じゃあポリゴンとかモーションとかエフェクトとかの精度を高めて、結果ドラマと同じ絵を表示出来たらどうなるんだろうか? と考えてみると、多分平気そうな気がするんだよ。だって同じテレビで、同じ画像データを見てるんだから。表示されてるデータに問題があるのか、コントローラーの操作に対しての反応に問題があるのか、細かい理由はわからないけど最終的には写ってる絵の問題じゃないかと思う」
妹「VR慣れした人が酔うって話も?」
「VR慣れすると首を動かすだけで酔うようになるってことはないだろうし、そうするとやっぱりその時写ってる絵の問題じゃないのかな。錯視みたいなことで酔うなら逆方向の錯視を作り出すことでの対処も出来そうな気がする。他にただ被ってるだけで気持ち悪くなるというケースも考えられるけど。ヘッドホンでも合わないのは合わないし、VRだと結構密着させるから。あ、密着で思い出した。VRの装着をするには少しほっぺたがふっくらしてた方がいいと思う」
妹「……ホッペタ?」
「途中でグラグラしないようにきつめに締めるんだけど、そうするとほっぺたのとこから光が漏れたり、支えるとこがないからグラスが下にずれちゃうんだよ。そうかといってあれ以上締めてもただ頭が痛いだけでどうしようもなさそうだった。鼻の高さとか、頭の形状とか、他の条件で違うのかもしれないけど。少なくとも兄の場合はほっぺたのあたりに布か何か噛ます必要がある。それか部屋暗くするとか」
妹「ずれるのは駄目なのはわかるけど、光が漏れるってのはなんか駄目なの?」
「外の景色が見えるほどじゃなくて、細い光の線があるだけなんだけどね。没入感が損なわれるというか。普通にゲームやってる時でも、視界の隅っこの方で踊ってる人とか居たら気になるでしょ? そんな感じの話」
妹「それは気になるかも」
「でもよく考えるとほっぺたのとこに光の線が"見える"ということは、その分自分の本来の視界よりはやっぱり狭いのかな。見える範囲が狭いとは特に感じなかったんだけど。どのみち視界の端の方は何があるかまでは見にくいとこだし、よく見ようとしたら首動かすからかな」
妹「首ふってカメラを動かすとして、移動はどうやるの?」
「移動が出来るのはHTC Viveだった。ただし3m四方の範囲内だけど。しゃがめばしゃがんだ状態での視点になる。やってる時は普通に出来たから普通だなあとしか感じなかったけど、冷静に考えたら普通になってるのが凄いんだよね。技術的には頭の高さとか諸々をセンサーで感知してるってことだろうけど、とにかく普通に動ける。ただ3m、中心からだと1.5mの範囲だから、歩くというほどじゃない。歩けたとしても部屋の壁に当たるし。今のところVR機器自体に移動向きの手段は無いと思う。手に持ってるコントローラー操作で前進ボタンを押すか、もしくは強制スクロールみたいな感じにするか」
妹「それで、どれが良かったの?」
「一番凄そうだったのはやっぱりViveかなあ。会場ではSTEAM VRという名前の方で展示してたけど。これは下にズレたけど光は漏れなかったやつで。歩けるというのはそんなでもないけど、遠近感とか絵の細かさが優れてる感じだった。ただ多分ズレたせいで遠くの物がぼやけて見えた。1m以内のは見えるんだけど……その1mとかの感覚がもてたという時点で良かったんじゃないかと」
妹「元々そういうものだってことは?」
「遠くの物をぼかして表示するエフェクトみたいなのじゃなくて、3DSで微妙にずれてる時の絵が2つ見えるやつみたいなのだったから、多分ズレだと思うよ。それか目に疲れがあったとか。何回か試して確認したかったけど1人でそんなに時間使うわけにもいかなかったから」
妹「わたしもホッペタにはそんなに自信がないんだけど」
「実際買ってしまえば、布をはさもうが、大きなスポンジつけようが勝手だから、そのへんの問題は解決すると思うけどね。ただ実際どれがいいのかと考えると、それぞれデモの内容も違うし、パソコンの性能も違うだろうから、いまいち比較出来ないんだよね。酔う酔わないの話にしても、こういうのだと酔いますっていう酔い体験コーナーはなかったし」
妹「そんなコーナーあったら怖い……酔ったらしばらくは動けないだろうし、ヘタするとそこらじゅう大惨事に……」
「でも比較してみないと色々わからないからさ。他の展示でもうちにあるのと同じぐらい性能のも横に置いといてくれれば、凄さがもっと伝わるのになあと思ったし。VR版と普通のディスプレイ版と両方遊べるようにとか」
妹「結局どれ買うの? Viveとかいうの?」
「まだどれがいつ発売されるかわからないからね。値段とか、パソコンの性能がどれぐらい必要かとかも。Oculus Touchの操作性も凄いという噂だけど、今回Touchは会場に無かったし。ただどれかは買う」
妹「でかける前と結論変わってない気がする……」
ミラールート・製作記録
「そういえばミラールート作った時の話とか書いてない気がするんだけど」
妹「特にこれといって書くようなことがないような……」
「なんでああいう感じのパズルゲームにしたの?」
妹「したっていうか、なってたんだよね。最初は反射するマテリアルを鏡にして、万華鏡的な物を作りたかったんだけど、反射が上手くいかなかった」
「マテリアルでの反射は綺麗に鏡として写すためというよりは、鏡っぽい質感を演出するためのものだからね。現実だと鏡同士で無限に反射出来るけど、CGだとそこまでやるのは性能的に難しい」
妹「そんなわけで鏡を使った別のゲームを模索していて、そしたらだんだん時間がなくなってきて、なんでもいいからゲームになれーという気持ちで手を動かしていたら、なんかああいう感じのになった」
「たしか最初はバージョンは色の変化とかチェインとかなくて、ただ反射して球を外に出さないようにするだけだったよね?」
妹「そうなんだけど、そのままだと鏡で三方を取り囲むと安全地帯が作れてしまったんだよ。それはつまらないので、球を動かしていくことで得点が増えるような、そして頭を使う余地があるようにと思って調整した」
「これ結構難しいよね。ゲームの難易度として」
妹「わたしはそう思わないんだけど、自分で作ったからかな」
「作るのが難しかったところは?」
妹「アセットは無料のとかサンプルのとかあったから楽だった。タイトルロゴはどうやって作るのかわかんなかったから、サンプルのパーツを組み合わせて、適当なマテリアルを設定して作った」
「よく見ると継ぎ目が」
妹「よく見てはイケナイ。そういえば、タイトルと言えば気になることが」
妹「最初にゲームを起動した時と、ゲーム画面から戻った来た時と、なんか見た目がちがうんだよ」
「……ちがいがわからないけど」
妹「ちゃんとよく見るんだ! 最初のMの左側とか、ゲーム開始時の方が暗い。他のとこも微妙に明るさとか変わってる」
「ちがうといえばちがうような。なんでだろう……」
妹「そもそもこれどっちが正しいんだろう?」
「明るさの自動調節と関係ある仕様なのか、それともバグなのか。とりあえずレベル移動するとそうなるんだったら、最初に何もしない真っ黒のレベルから開始で、そこからすぐにタイトルに移動させてみるとか」
妹「他に困ったこととしては、球の反射を自動的にやるとなんか微妙に角度がずれるかんじだったから、ノードでピッタリの角度を設定するようにした」
「自前で処理したのは正しい判断だと思う。反射する角度は決まってるわけだし。ノードの構造はもっと良い方法ありそうだけど」
妹「時間なかったからそのへんはあきらめて、ゲームとして面白くする改良の方をやっていた。しかし4、5人しか遊んでないのでは……」
「それはあの時点での予想だから。時間が経てば多少なりとも増えるだろうし。でも動画でインパクトないとそもそも遊んでもらう段階までいけないってのはある。フリーゲーム全体の傾向として、昔はとりあえず遊んでみてたけど、今は紹介動画とか口コミとかを見て始める人が増えてきてるから」
妹「ゲームを作るだけじゃなく、遊んでもらうのもむずかしかったとは……」
※兄がKYUSHU CEDECに出かけるので16日、17日は更新を休みます