作曲本で挫折しすぎた人におすすめっぽい「作曲少女」
「今日はいい感じの作曲本を知ったので紹介したいんだけど……ところで妹の作曲レベルってどれぐらいだっけ?」
妹「簡単にいうと、兄をスライムだとすると、わたしはバブルスライムぐらいの強さを誇っている」
「だいぶ難しい」
妹「たぶんあんまり変わんない……一応初歩のコード理論とかは知ってる。だいぶ忘れてるけど。曲らしきものも作ったことあるけど、出来栄えにまだ問題があるというか。でも音楽ソフトの使い方は兄の方が詳しそう」
「だったらスライムAとスライムBなのでは……」
妹「わたしの方が"バンブラ"はだいぶ上手いので、そのへんの得点が効いている」
「そういうものなんだ……まあでもそれだったら妹にも効果ある本かも」
作曲少女~平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話~ : 仰木 日向, まつだ ひかり : 本 : Amazon.co.jp
「作曲の本って初心者向けに書いてある本もたくさんあるんだけど、どれも本当の初心者には難しすぎたということで作られた、ヤマハミュージックメディアの最終兵器」
妹「強そう」
「理論については、キー、つまり調についてだけ書いてある。楽譜のたぐいも使わない。コード進行の話もほぼ無視。かといって精神論みたいな曖昧な話でもなく、超実践的な方法論……が、ラノベの形で書いてある」
妹「ラノベか……ラノベはなんか合わないみたいで、読むのがつらいんじゃよ。具体的にはニンジャスレイヤーしか読めるやつなかった」
「ニンジャスレイヤーがラノベかどうかはわかんないけど、パラパラと作曲の手順の部分だけでも。基本的には"耳コピ"、聞いた音をそのまま音楽ソフトに入力しようという話。1から曲作ろうとか考えずに、とりあえず耳コピ。自作する時も作るのが難しい部分は雰囲気の似た曲からパクる。それでちゃんと納得の行く曲を作ろうという……」
妹「パクリだと……駄目なのでは?」
「どのへんまで駄目かっていうと、音楽のジャンル的に真似しないとしょうがないのとかあるし、細かいところは司法の問題になってくるけど、少なくとも練習で作る分にはまったく問題ない」
妹「そりゃあそうかもしれないけど、なんだかイメージが良くないような」
「最近は盗作で訴えられたりとかの話も多いから、模倣っていう方法があんまり推奨されないところがある。漫画の入門書でも最初はキャラの顔を丸で当たりを取るとかから始まる。でも実際上手くなってる人は、好きな絵を上からなぞったり、模写をしたりして、その後自分の描きたい物を書いてる。プログラムもそうで、兄も雑誌のプログラムを書き換えて勉強してたよ」
妹「それだとオリジナリティが出せないのでは?」
「何のどこを模倣しようとするかで個性は出るよ。模倣した相手と完璧に同じ考えと技術で作れるようになったら、それはそれで凄いけど、普通はそうならないし。ドラゴンボールを模倣して育ったと思われる漫画家はプロ・アマ含めてものすごい数の人がいるけど、やっぱりそれぞれ違うし」
妹「たしかに耳コピして参考にした方がいいんじゃないかってのは思ってたし、ちゃんと聞こえる曲が出来るのはいいかもしれない」
「必要なアイテムは、パソコンと音楽ソフトとヘッドホン。あと(音楽用の)キーボードがあればいいということで、初期投資が少なくていいのもメリット。キーボードも何か曲が引ける必要は特にない。押して音が鳴らせればいい感じ」
妹「キーボードならそれなりのを持ってるよ」
「というわけでおすすめです。そしてそのキーボードちょっと貸して下さい」
妹「貸すのはいいけど多分掃除してから触った方がいいと思う……それで兄はどこまで進んだの?」
「いま耳コピ出来そうな曲を探してる段階です」
妹「もうちょっと上手くいってからおすすめした方が……」