タイルマップの話
妹「ところでタイルマップってなんなの?」
「草地とか壁とか、そういう小さい絵をマス目状に、つまり風呂場のタイルのように敷き詰めた感じのマップのことだよ。マップの意味はゲーム用語としてのマップと同じ」
「これは何年か前に描いたやつで、RPGのフィールドマップ用のタイルセットだけど、横スクロールとかでも考え方は同じ」
妹「ドット絵?」
「ドット絵だよ。ドット絵じゃなくてもタイルは作れるけど、繋ぎ目とかはきっちりタイル単位で考えないと変になるし、ドット絵用のツールで描く方が楽だとは思うけど」
妹「今わたしが作ってるのはタイルとは違うの? あれも小さい絵を組み合わせて作ってるんだけど」
「大きさがまちまちだし、配置がマス目にそってるわけではないから、タイルマップとは言わないかな」
妹「今までわたしがやったゲームで言うと?」
「古いゲームはほとんどそうだよ。SFCやメガドライブのあたりまではほとんどタイルマップ使ってる。マリオとかドラクエとかFFとか。タクティクスオウガもタイルマップの一種」
妹「タクティクスオウガもタイルでいいの!?」
「一番多いのは正方形だけど、長方形でも六角形でも、菱型でもタイルには違いないから。平行四辺形のも見たことある。英語ではTile-based gameと言われる。日本語だとRPGツクールの影響なのか、タイルよりマップチップという言い方が多いけど、マップチップゲームみたいには言わない。ジャンルとしてあまり認知されてない」
妹「そう言われるとなんか全部タイルみたいな気がしてきたんだけど、むしろタイルじゃないマップの2Dゲームってあったっけ?」
「ノベルゲームみたいなのはタイルじゃないけど、マップでもないか。PSぐらいの時期にはあった気がするんだけど。あ、レジェンドオブマナとか。あとキャラは3DだけどFF7のマップもそんな感じだった」
妹「最近は?」
「タイルというか、2Dゲームがそもそも少なくなってるというか。でもレトロ風のアクションゲームやRPGは基本的にタイルベース。そうじゃないとレトロにならないから」
妹「そもそもなんでタイルにしてるの?」
「一番の理由は容量。絵の使い回しもそうなんだけど、UE4で言うとLocationの数字もピクセル単位じゃなくマス目単位で決まる。そうすると大きなマップでもXとYが0~255ぐらいの範囲で十分足りた。これも容量の削減になる。コリジョンもタイルの種類ごとに通れるか通れないか決めるだけだから単純になる」
妹「そんな便利なタイルマップを使わなくなった理由は? 容量あまっちゃったの?」
「余ったわけではないんだけど、ムービーとか声とかに比べたら大した問題じゃなくなってきたのはあるし、結局は使い回しだから似たような見た目の画面が増える。タイルの種類を増やすほどメリットが少なくなるし、それとタイルだとどうしても曲線的な表現がしにくい」
妹「そういうタイルを作ればいいのでは?」
「可能なんだけど、使い回しの効く角度が少なくて、1回しか使えないタイルが大量に必要になる。あとコリジョンを単純化した時にタイルの形とかけ離れちゃう」
妹「なるほど。それなら丸いタイルというのはないの?」
「うーん、そういうのもあるかもしれないけど、見たことはない。丸だとどう敷き詰めても隙間ができちゃうだろうから。クッキーの型抜きみたいな?」
妹「クッキーの型抜きなんてしたことないでしょ」
「そうなんだけど、あれ見てるとさ、隙間もったいない……タイル状に切り分けたい……ってなるんだよ」
妹「クッキーの生地をそんな目で……」