妹でもわかるサッカー
「サッカーの見すぎで特にブログに書くことがない……」
妹「サッカーの話を書けばいいのでは」
「でもゲーム関係なくない?」
妹「サッカーもゲームでしょ。妹的にはなんとなくの雰囲気で見てるけど、よくわからないところもあるから、それを説明してくれ」
「そうなの? じゃあちょっと書いてみるけど」
ルール全般
「基本的には、手でボールに触らずに、相手側のゴールに入れるという競技なんだけど……」
妹「足でじゃないの?」
「まあ足が一番使われることが多いけど。手と腕以外は使っていい。細かいことを言えば色々あって、ここに書いてある」
妹「これはガチのやつじゃん」
「ルールはここを見ればわかるようになっているけけど、たくさんあるから、兄も知らないルールが多分いっぱいある。見てる分にはそんなにわからなくてもいい。選手もプレイに直接関係してない部分は知らないかもしれない。フィールドの大きさに幅があって、会場ごとに違っててもよかったり。あと武器を持ち込んじゃ駄目とか」
妹「いや武器は書いてなくても駄目でしょ……」
「でも一応書いとかないと。それにあからさまな武器持ってくる人はいないにしても、悪気なくというケースもあって。10年ぐらい前からはアクセサリ類も禁止になった。指輪とかピアスとかネックレスとか。これもぶつかった時に刺さったり絡まったりするからだと思う」
妹「10年前? そういえばこのルールに2018年版とかあるけど、そんなにしょっちゅう変わってるの? サッカーってだいぶ前からあるのでは」
「わりとちょくちょく変わってる。ビデオ判定を使ってもいいみたいなのも改正が必要なわけだし」
妹「使ってもいいの? 使わなきゃいけないじゃないの?」
「サッカーのルール上はビデオ判定有りというとこまで。実際やるかどうかはあと試合や大会ごとに決める。だってほら、小学生の試合とかでビデオ用意できないし……」
妹「それも同じルールに含まれてるんだ」
「そうらしい。だから試合ごとに決めていい部分と、これは守ってという部分というのがセットになってる」
サッカーをどのようにプレーし、レフェリングするかは、小さな村で行われる試合からFIFAワールドカップ™の決勝戦まで、世界中どのサッカー場でも同じでなければならない。しかし、試合時間の長さや参加人数、不適切な行為を罰する方法は、国内のサッカーの求めに応じて決める必要がある。
ネットの色
妹「ゴールのとこにかかってる網が白いのって見にくくない? 黒くしたらいいと思うんだけど」
「ボールが?」
妹「ゴールしたのかな? と思ったらボールが向こう側だったりするじゃん。わかりにくいでしょ」
「それはテレビで見てるからな気もするけど。ゴールネットの色……は規定にないね。ゴールの枠は白で、芝生は緑じゃないと駄目だけど、ネットは別に決まってない。調べてみると変な色のゴールネットも普通にあるらしい。チームカラーにしたりとか」
妹「そうなんだ。じゃああれはロシアの趣味で白なの?」
「わからないけど、全体的に白のが多い気はする。日本で白が流行ったのはJリーグができた時らしい。それまでは汚れが目立たない黒だったとか。よく考えたら中学校にあったゴールネットは、こげ茶色だった気がする」
妹「やっぱり黒でいいと思うなあ。黒で」
手を使ったプレー
妹「キーパーしか手でボールを触っちゃ駄目なんだよね?」
「そうなんだけど、いったん外に出たボールを拾うのとかはいいし、あとスローインとかでボールを手を使うシーンはある」
妹「肩は?」
「肩はセーフ」
妹「肩のちょっと下のへんは?」
「そのへんは微妙なところで。安全なのは肩の上部分まで。もう1つ、手にボールが当たっても、わざとじゃなければOKってのもある」
意図的にボールを手または腕で扱った場合、直接フリーキックが与えられる。
「つまり意図的じゃなければ反則にならない」
妹「意図的じゃなく当たるとはどういうこと?」
「よくあるのが、トラップをミスしてボールに手があたっちゃうこと。あとは人がごちゃごちゃした状況で、見えない位置からのシュートに当たったとか」
妹「うーん、じゃあ手を大きく広げておいて、あたりやすくしておけばいいのかな?」
「それもたぶん駄目だと思うなあ。基本的に身体に腕をピッタリとくっつけておくのが安全。わざとボールにさわったわけじゃないにしても、当たればいいなと思って手を出してたという扱いになるから」
相手に前を向かせない
妹「攻められてる時に、相手に前を向かせちゃいけないっていうのは、前向いた方が前に蹴りやすいだろうし、まあわかるんだけど、それってどうやればいいのかな? 向くなって言っても聞いてくれないだろうし」
「プロの選手だと回りに敵の選手がいなければ一瞬でターンできる。逆にいうと回りに人がいるとやりにくい。だから一番シンプルなのはピッタリくっついちゃうこと。強く押すと反則だけど、軽く当たったりくっついたりするのは問題ない」
妹「そうすると前向けないの?」
「くっつかれた状態で振り向こうとすると、身体が当たっちゃうから。で、ディフェンスはやられたーって感じで倒れる。するとオフェンス側が倒したというファウルになるから。あとはクルって回る瞬間を狙ってボールを取られたりするから、そこそこ離れててもむずかしい」
妹「じゃあどれぐらいの距離なら前向けるの?」
「それはお互いの上手さの問題だけど、すごく上手い人だと30cm隙間があれば十分とかいう話を聞いた気がする。相手に当たらないように、かつボールを取られないようにしつつ、素早くターンするってのがむずかしい。どうしても方向転換する時に体勢が不安定になるから」
妹「じゃあ相手に当たって倒したり、ボールを取られないように前を向けばいいのか」
「あと足の変なとこにボールがあたって飛んでいくという失敗もある。やる前にターンは無理って判断した場合は、その向きのままでボールを後ろの人にパスするか、ボールを取られないようにしながら援軍を待つ」
ファウル
妹「どういうのが反則なの?」
「審判が笛を吹いたら反則」
妹「いやどういう場合に笛を吹くのかというのが……」
「まあ手で触っちゃ駄目な時に触るのとか、相手を押したりつかんだりして倒したりとか……リプレイを見てると、みんな相手のユニフォームつかんでるの丸わかりなんだけど、解説の人は何も言わないね……」
妹「あれ駄目なの? あれはもうありなんだと思ってた」
「本当は駄目なんだけど、まあ審判に見えないとこをちょこっとつかむのは、みんなやってるんで。密集してる時は誰にやられてるかもわからない。引っ張られてますよってアピールしたらすぐ離す。で、またつかむ。引っ張って倒れるってとこまでいってはじめてファウルになることが多い」
妹「テレビではアップで映ってるからね」
「現実的には相手のユニフォームを上手くつかむのもサッカー技術ということになってる」
妹「でもその状態で相手が走ったら、結局引っ張ったことになるんじゃ?」
「倒れる前に離す。それでも相手の動きを一瞬止めることが出来るから、そこでスピードが弱まったり、上手くジャンプできなかったりするから、その間に何とかする」
妹「でも駄目なんだよね」
「上手くやるのもサッカー。審判にバレて怒られるのもサッカーって感じだから。ひどい時には攻撃側も守備側も同時に引っ張り合ってる。だからテレビでも、いいとも悪いとも言えないんだろうと思う」
妹「じゃあ相手にガシッと抱きついてるやつは?」
「コーナーキックの時によくやるやつね。あれはガシッとしたり投げ飛ばしてしまうと当然駄目。でもちょっと隙間を空けて、腕を置いたりする。これも厳密にいうと進路妨害的な反則になるんだろうけど、まあ……」
妹「それはどうやって対抗するの?」
「まあ手ではねのけたりとか。相手はあくまで置いてるだけだから。それでどけてくれない時は妨害されてるって審判に言う。そうすると相手は腕を上にあげてアピールするからガードがゆるくなる。でもまたすぐにやるから、そんなことを繰り返しながらポジション争いをする」
妹「倒れてるのに反則になってないことあるけど、あれは?」
「肩で相手の肩を押しのけてボールを奪うというプレイは、もしくはそうやってボールを守るためのプレイは、結果的に相手を倒してもファールにならない。あとは強く押したわけじゃないとか、自分の足がもつれただけと判断された場合。最悪なのがペナルティエリアで足がもつれた時で、わざと転んだと思われて、転んだ方にイエローカード出ることがある」
妹「転んだ上にそんなことになって気の毒な……」
「ペナルティエリアに入った途端に転びやすくなる人も多いんで、厳しく判定されちゃう」
イエローカード
妹「イエローカードもよくわからなくて。ポーランド戦の後半でイエローカードもらったのが、何がイエローだったのかよくわからない。むしろ相手から体当たりしてきたような」
「あれはリプレイで確認すると、ディフェンス側の選手がボールの落下地点にはいれてなかった、足も届かない位置。で、相手のフォワードの方が速そうだったんで、手で押してしまったという。さらに相手が絶好のチャンスだったのを潰した点も重くみられたのかも」
妹「ボールがあればOKなの?」
「よくあるのが、スライディングタックルで相手の足に引っかけちゃった時。その時にタックル側がボールに触れたかは超重要で、先にボールに触って、その勢いで相手の足にも当たってしまいました……というのはだいたい無罪になる」
妹「ボールに当たらないと?」
「ボールを狙ったふりをして足を狙った可能性が高いということでファウルになるし、だいたいカードが出る。逆に狙われてる方はボールをちょっとでも蹴って、相手が触れないようにする。それを見たタックル側が間に合わないと思ったら、タックルした足を曲げて引っ込める」
妹「駆け引き……」
「でもイエローカードもらうの覚悟で止めにいく時もある。カウンターくらって、相手の足が速くて、これはもうやばいなって時に。レッドだと退場だけど、イエローなら1試合に1回まで使っていいということで。でもペナルティキックは嫌だからペナルティエリアの外で狙うし、狙われた方はペナルティエリアに入るまで倒れないように頑張る」
妹「1試合に1回まで使っていい……」
「いや駄目なんだけどね。反則だから。でもそういう風に見ないと理解できないプレイが多々あるんで。でも1試合1回までOKとはいえ、累積警告というのもあって、ワールドカップだと累積2枚で、その次の試合が出場停止になる」
妹「2枚だと退場なのでは?」
「それは1試合2枚の時ね。そうじゃなくて、退場はしないんだけど、その次の試合には出られないよっていうのが別にある。試合によって違うけど。ワールドカップの1次リーグは2枚だから、1戦目と2戦目で1枚ずつもらうと3戦目は駄目。1戦目と3戦目だったら、決勝トーナメントの1回戦に出られない。そのへんは大会ごとにルールがある。それで重要な選手が出れなくて負けることも結構ある」
レッドカード
妹「レッドカードはもっとよくわからないんだけど。イエローカードよりもっと危ないのは駄目なんだろうなって思うけど。でもコロンビア戦? の相手の手に当たったやつは、別に危なくないけどレッドカードだったよね? あれって何なの?」
「悪質な反則の場合にイエローカードとかレッドカードとかは出るんだけど、悪質の方向性が2つあって、それはさっき妹が言った、怪我する系の悪質なプレイで、もう1つは得点への影響が強い系の悪質なプレイ。コロンビア戦のあれはゴールに入ろうとしてたシュートを手で止めたから。ファウルしなければ確実に得点になってた状況だからレッド」
妹「そういうものなんだ。ペナルティエリア内のハンドだとレッドなのかなと思ったけど、イエローとかのもあったから。でも偶然本当に腕に当たった時は困りそう」
「安全なのは腕を身体にくっつけてからシュートブロックに行くこと。点は取られたとして、レッドカードは貰わなくてすむから」
妹「でもどっちみちペナルティキックというので入れられるんだから、わざと手で止める意味なくない?」
「それがそうでもない。ペナルティキックは、蹴る側が失敗したり、キーパーの読みが当たったりで、平均すると80%ぐらいしかゴールできない。命中率80%の攻撃とか信用できないレベルでしょ。ゲーム的に考えたら」
妹「そ、それはたしかに。100%から80%に減るんだったらだいぶ違うかも。でもレッドカードだと1人減っちゃうわけだし……」
「だから試合終了間際で100%点が入ると思ったら、レッドカード覚悟でシュートを止める場合もある。手でシュートブロックもそうだし、後ろから足狙ってタックルすることも。それで相手がPK外して勝っちゃうこともある」
妹「おおう……」
「でも悪質度が高いと判断されると、退場や次の試合の出場停止っていう普通の罰の他に、しばらくサッカーの試合自体が出来ないという処分もありえる。かなりリスクのある選択」