Blender修行(6) モディファイアーによる非破壊編集
妹「そういえばBlenderでよくわからなかったのが、モディファイアーという単語。英語なのかCG用語なのか、それともBlender用語なのか、そのへんがいまひとつわからなかったんだけど」
「あー、それは元は英語だけど、でもモディファイアーっていう言葉をこういう意味で使ってるとは限らないから、一応Blender用語として認識しておいた方が良さそう」
妹「じゃあBlenderでの意味は?」
「じゃあさっき作ってたゴミバケツを例にあげると……」
「このバケツは円柱を加工して作ったものだけど、上の面を削除してあるから、基本的にペラッペラのポリゴンで出来てる。でもよく考えるとバケツには微妙に厚みがあるはずだし、それがないと上から見た時に変だった」
妹「これは厚みがついてるね」
「付いてる。"厚み付け"のモディファイアーを使って、このオブジェクト全体に0.2の厚みを付ける、という設定にしたから」
妹「モディファイアーというのは、そういう加工をするためのものってこと?」
「そうなんだけど、単純に加工するだけなら使わなくてもいい。厚み付けに関しても、モディファイアーじゃなく編集コマンドを使う方法もある。その場合こうなる」
「厚さは同じなんだけど、なんというか、ポリゴンを増やして、厚みをつけることになる」
妹「さっきのもポリゴン増えてたのでは?」
「表示の段階ではそうなんだけど、元のデータとしては増えてなかったんだよ。モディファイアーを無効にすると、ペラペラに戻る。でもこうやって厚みを付けると、元に戻すには、アンドゥする以外には、追加された厚み部分を手作業で消すしか方法がない」
妹「???」
「モディファイアーというのは、お絵かきツールで言うとレイヤー効果に相当する仕組み。色合いを変えるとか、縁取りをするとか。でもレイヤー効果を無効かすると元に戻る。絵自体を変えたわけじゃないから。こういう元のデータを残したままの編集方法を非破壊編集という。これは多分CG用語」
妹「なんだか被破壊メッシュに似てますな」
「それは破壊されるやつで、これは破壊しないやつだから。ポリゴンを増やす系以外にも、変形するやつとか、色々ある。もちろん変形するパータンでも、モディファイアーを消せば元に戻せる」
妹「でも破壊しないといっても、最終的に表示される時には、やっぱりポリゴン増えたりするんだよね?」
「それはそう。結局Nゴンと同じ話だから、最終的には三角ポリゴンのカタマリになる。ただ作業中に厚みを変えたりしたくなるかもしれないし、形もまだ変わるかもしれない。そういう場合に先に厚みを確定させず、それなのに厚みのある状態で編集出来る。これがモディファイアーの大きな利点」
妹「じゃあ編集コマンドの方は要らない?」
「欠点としては、厚みを付けた後で、さらに加工するみたいなことが出来ない。編集上は架空のポリゴンみたいなものだから。別のモディファイアーを追加することでの加工は出来るけど、手作業ではさわれない。あとオブジェクト全体に効果があるから、その一部だけに厚みを付けるという用途には向かない。そういう時は普通に編集するしかない」
妹「要らなくなかった」
「基本的にはモディファイアーの方が融通が効くから、まずはモディファイアーで使えそうなのがないか探してみて、なかったり全体に効くとまずい場合は普通の編集コマンドを使う、という順番で考えるのがいいと思う」